本日配信されたニュースです。
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■やまぬナースコール ヘルパーのいらだちは頂点に達した。
大阪市内の特別養護老人ホーム(特養)で男性ヘルパーから「殺すぞ」と言われたり殴られたりしたとして、元入所者の男性(77)が損害賠償を求めた訴訟 で、大阪地裁は7月、特養側に慰謝料60万円の支払いを命じる判決を言い渡した。地裁は原告側が提出した録音データをもとに暴行・暴言を認定したが、人手 不足の介護施設の過酷な実態を理由に高額賠償は避けた。「鳴らさんといて。頼むから」。録音には度重なるナースコールにいらだつヘルパーの叫びも残ってい た。
◆ひそかに録音
男性「もう8時過ぎとるやん」
ヘルパー「忙しいねん。○○さん(男性)だけじゃないねん、薬いるのん」
男性「偉そうな…」
ヘルパー「お前が偉そうに言うな、黙っとけ。(中略)早よせい。早よ開けろ、口」
男性「うわー、うわー」
大阪市内の特養で平成21年8月末の夜間、ヘルパーと入所者の認知症男性の間で繰り広げられたやりとりだ。男性の次男(41)が個室のベッドの近くにICレコーダーを置き、ひそかに録音していた。
ヘルパーは薬を飲む時間が遅れたことを抗議されていらだち、男性の口に無理やり薬を押し込んだ。男性からその後、10分間に7回ナースコールがあった。ヘルパーは呼び出されるたびに部屋に入ったが、男性が何を望んでいるのかは判然としなかった。
「用ないねんから鳴らさんといて」と何度懇願しても1分もしないうちに次のコールが響く。次第に怒りを募らせ、インターホン越しに激しい言葉を浴びせた。
ヘルパー「もっかい殴られたいんか。お前、おい」
男性「なんぼでも来い」
ヘルパー「お前死ね、殺すぞ」
男性「やってみ」
いらだちが頂点に達したヘルパーは部屋に入って男性の胸ぐらをつかみ、パジャマが破れるのも気にせず、「しばきまわすぞ」と言い放った。
◆判決で“同情”
男性は15年に脳幹部大動脈瘤(りゅう)の手術を受けたが、右半身まひなどの障害が残り、認知症も発症。通院先の紹介で19年に入所したのが、この特養だった。
約2年後、特養側から次男に、男性がヘルパーを暴行するとの苦情があった。男性は「ヘルパーに殴られた」と反論。次男は真相を確かめようと個室にICレコーダーを置いた。
録音を聞いた次男は特養に抗議し、大阪府警に被害届を提出。ヘルパーは22年1月に辞職し、同年4月には脅迫罪で罰金刑を受けた。大阪市も特養へ調査に入り、虐待があったとして再発防止策を提出させた。
しかし、特養はヘルパーの暴行を一切認めなかった。納得できない次男と男性は昨年、特養の運営法人に慰謝料300万円を求め提訴。今年7月の判決は法人に慰謝料60万円の支払いを命じ、確定した。
ただ、判決は「男性はナースコールを控えてほしいと要請されながら、必ずしも緊急事項といえない苦情を繰り返した」とし、ヘルパーに一定の“同情”を示 した。さらに「慢性的な人手不足から、身体的にも精神的にも過酷な介護の現場の実情を考えると、懲罰的な慰謝料を算定するのは相当でない」とも言及した。
◆足りない人手
判決も指摘するように、トラブルの背景に、重労働の割に賃金が安いとされる介護職の人手不足がある。
厚生労働省によると、今年6月現在の有効求人倍率は、全職業の平均が0・99倍だったのに対し、介護職は2・42倍。職業全体としては1人の募集に1人が集まるが、介護に限っては2人の募集に1人も集まらない計算だ。
トラブルの舞台となった特養がどのような夜間勤務態勢をとっていたのかは不明だが、音源には別の女性ヘルパーが、コールを鳴らし続ける男性をたしなめる場面も残されている。
女性ヘルパー「他の人の介護してるから押さんといて」
男性「介護してくれへん」
女性ヘルパー「もう、私の仕事を邪魔せんといて。他の人の生活守るのが私の仕事なんや」
今回の訴訟は、高齢者一人一人を丁寧にケアする理想の介護とは程遠い現実を浮き彫りにした。
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切ないですね・・・。
私も仕事柄、複数の施設にお邪魔させていただきますが、介護職の人手不足には実感しています。
「人手不足だからいい介護ができない」
と、実際に職員の方からの声も聞きます。
しかし、
「人が少ない中でもいい介護(施設)にしたい」
と、努めていらっしゃる施設(職員の皆さん)も知っています。
今回の記事では、男性が「介護してくれへん」と言っています。
これが、この男性にとっての一番「伝えたい」「分かってほしい」ことなのではないでしょうか。
認知症の方には、問題行動ととられる症状がありますが、そこには必ず『原因』があります。
それを取り除き、信頼関係を築ければ、問題行動が収まる可能性は十分にあります。
最近、認知症の人のケアをするための「ユマニチュード」というのが注目されています。
こちらのサイトで、分かりやすく紹介がされています。
◆判決で“同情”
とありましたが、私にはそうは思えないのです。
誰もが、「心穏やかに安心した日々過ごしたい・・・。」と思っているのではないでしょうか。